従業員の解雇について、大株主で親族の取締役と代表取締役の意見が対立している

◯事案の概要

取締役(社長の母であり、大株主)が従業員をパワハラにより解雇宣告した。しかし代表取締役はその解雇に同意していない。取締役は、解雇をしないのなら代表取締役を解任すると発言しており、どのように対処するのが適切かを知りたい

◯相談内容

取締役(社長の母であり、大株主)が従業員に対し、解雇を宣告いたしました。代表取締役は、その従業員は有能であり、会社にとって必要な方なので、在職をさせたいと思っています。簡単には解雇できないことを重々承知です。

(就業規則を作成し、解雇要件について取締役に話しはしましたが、訴訟覚悟で解雇をしたいようです。解雇案よりも取締役からのパワハラの方が問題です。)

取締役より、解雇をしないのであれば代表取締役を解任すると脅しております。

実際に3年程前に代表取締役を解任したましたが、その後、代表取締役交代によって取引先からの信頼を失い、会社に多くの損害が発生したため、結局は元の代表取締役に戻したという経緯があります。

この取締役は、これまでも退職金を何回かもらい、引退したはずなのに、職場に来て、経理や総務については、譲らない態度を取っていました。事業承継税制を理由に株式の譲渡案をしても否認するばかりです。

社長は退任も致し方ないと考えておりますが、会社の現在の業績は、社長が売り上げを伸ばしてきたので、退任すれば、取引先との契約に支障が及び、廃業はほぼ間違いないようです。ここまでやってきたことが、無駄になること。残された従業員がかわいそうとのことで、困っている状況です。

①やはり高齢で非常識であっても、大株主には対処のしようがないのでしょうか?

取締役の執行権を失わせるような訴訟をしたとしても、大株主としてまた復帰されてしまうと考えております。親族間で揉め事を起こすようでは、噂によって同業他社に攻め込まれることも容易に想定される状況です。

話し合いをしたくても、場が取れない、取れたとしても取締役は感情論になってしまう状況のため、社長が退任する他ないのかもしれないと考えております。

②代表取締役は解雇を認めていないが、取締役が解雇を通達してしまった場合、解雇処理をしないといけないのでしょうか?

当該従業員が解雇だと思ってしまえば、解雇に該当しますが、代表取締役が認めていない以上、この処理をするのはいかがなのかと思いました。従業員は、職場復帰が叶わないのは理解しているようですが、自分と同じような第二の被害者が出てきてしまうことを危惧しております。

③取締役本人に対し、解雇された従業員よりパワハラに対する行政指導や、会社法429条による不法行為にて訴えをし、自分がどれだけのことをやっているかを自覚してもらうというのはどうでしょうか?

会社を訴えてしまうと、代表取締役にまで責任が生じてしまう可能性があるため、取締役本人のみを訴えるのが可能であれば、こういった手法はいかがなのかと考えました。

◯菰田弁護士の回答

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