退職合意書の文面に関するご相談
◯事案の概要
外資系企業で退職勧告を行うことになったが、海外の本社から退職合意書に関する文書提案を受けた。そこには、従業員が会社貸付ローンなどの未払いがある場合、会社の自由裁量で相殺できることに同意する・訴訟等民事的な請求権等の放棄について約束する等の文言が入っているが、これらは問題ないか
◯相談内容
外資系の企業で退職勧奨を行うこととなりました。退職条件についてのパッケージ等の作成に関わっていますが、退職者に結んでもらう退職合意書について、海外の本社より文書提案がありました。この文書内容についてご質問させていただきます。
①会社が労働者に対して支払う金額に対して、従業員が立替金や会社貸付ローン等の未払いがあった場合には相殺をするとの文言があります。
この部分については、判例等でも「客観的に自主的な同意であれば問題ない」と考えられていると思いますが、今回は「会社の自由裁量により相殺できることについて、自主的に同意する」といった文言となっています。
この「会社の自由裁量」といった言葉が問題ないか気になっています。これだと、会社の判断により自由に何でも行えるととらえることができるので、判例で示されている「労働者の自由意思」や「客観的に合理的な理由が存在する場合」を逸脱してしまうのではないかと考えてしまいます。
②同意書の免責事案については、訴訟や調停、仲裁などの民事的な請求権等の権利について、申立や不服の提起などをしないことを約束するような文言があります。
今まで退職時の同意書を作成したり、弁護士の方の文書を確認したりした範囲では、訴訟の請求権放棄と捉えられるような文言を見たことがありませんでした。判例などを調べてみましたが、同様の例を見つけることができませんでした。
そもそも民事的な請求権等の権利を放棄させる文書は公序良俗に違反しないのでしょうか?もし、このような裁判例がありましたらお調べいただきたいと思います。見当たらないようであれば、ご意見をお伺いできればと思います。
