退職合意書の「秘密保持の誓約」の文面から生じるリスクについて

◯事案の概要

退職合意書の秘密保持の誓約について、退職する従業員側から「正当な理由なく」という一文を追加してほしいと言われたが、正当な理由があれば何かことを起こす可能性があるため、リスクを回避した文面にしたい

◯相談内容

あるクリニックで、以下のようなことがあり、2名解雇となりました。解雇された従業員は以下の2名です。

A婦長・・・指導が厳しく開院1年で複数名が退職
B事務員・・・クリニック勤務は初。能力的には非常に低い

Aが指導してもBは業務が身につかず、苛立ちなどで日々キツくあたっていたようです。Bは日に日にやることなすことうまくいかず叱られっぱなし。Bは同僚からも匙を投げられるくらい、指導が身につかない。

見かねた院長より、BへAのパワハラから守るため半分、能力の無さ半分で退職勧奨。その後、Bの親が「Aに対してパワハラを理由に法的措置を取る」といって、患者として来院していたタイミングで院長に手紙を直接渡してきました。

「Aを解雇するから鉾を収めてくれ」とその場で説得し、Bの親は納得。後日、Aにその経緯を説明。Aは納得のうえ、諭旨退職。これまでの流れを受けて、Bに対する退職合意書を依頼されました。

作成した退職合意書の5条の部分について、第三者からの入れ知恵で「」の部分を入れて下記のように訂正してほしいとのことでした。

原案:第5条 甲と乙は、本件ならびに本退職合意書の成立および内容を第三者に開示しないものとし、今後相互に誹謗中傷、訴訟等しないものとします。
訂正を希望された文案:本件ならびに本退職合意書の成立および内容を「正当な理由無しに」第三者に開示しないものとし、今後相互に誹謗中傷、訴訟等しないものとします。

院長は、もうBとBの親とは関わりたくない。とのことで上記要望を受け入れる意向ですが、正当な理由があれば何かことを起こすと解釈できる気がします。

私は、Bを正社員として復帰させろと法的措置を取ってくるのでは?と考えています。院長は、人望があり、BとBの親からも信頼されていますので。Aが解雇されたことで、やり直せると考えているフシもあり、また、なぜ自分自身が解雇になったのか分からないと話していたようです。(能力不足の事は理解できてない)

そこで、「」がどこに掛ってくるかという言葉遊びになろうかと思いますが…「正当な理由無しに」本件ならびに本退職合意書の成立および内容を第三者に開示しません。「また、」今後相互に誹謗中傷、訴訟等しないものとします。

多少でもリスクを軽減させるために、このように文言を変えてBとBの親へ提案しようと思いますが、いかがでしょうか。ご指導に別途料金がかかるようでしたら、ご請求下さい。

◯菰田弁護士の回答

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について