代表取締役を2名から1名にしたいが、どのような方法を取るのが最適か
◯事案の概要
代表取締役が2名いるが、100%株主である1人のみにしたいと考えている。このときもう一方の代表取締役を解任するのではなく、任期満了で退任するという形式をとりたい。しかし損害賠償請求の可能性があるため、どのような提案をするのが最適か
◯相談内容
代表取締役がA、Bと2人いる会社で、2人ともに代表印や銀行員をともに管理しています。代表取締役のうち、Aが100%株主です。
途中でAとBの関係が悪くなり、代表印や銀行印等をBがもったまま連絡が取れなくなってしまいました。AはBに対して300万円ほど債権があるようなのですが、それについても逃げられてしまっています。そこで、Bを辞めさせてAだけが代表印や銀行印を管理できるような形にしたいと依頼者から相談を受けています。
この場合、Aは100%株主ですのでBを解任することも可能ですが、登記上は「解任」になってしまいます。そこで、役員の任期を短縮してBは任期満了で退任、Aは重任の形がいいのではないかと提案しようと考えています。
しかし、最近そういった場合には将来的にBから損害賠償請求がされる可能性があるとの判決が出ています。(東京地方裁判所判決/平成25年(ワ)第17534号、判決 平成27年6月29日)
①そこで、私はどういった提案をするのがいいでしょうか?
提案内容としては、以下のように考えています。
「Aが代表印や銀行印を一人で管理するには、Bを辞めさせる必要がある。そのための方法としては、解任が原則である。しかし、登記簿上「解任」の文字が入るので望ましくはない。
そこで、任期を短縮する方法がきれいだと考えるが、そうすると将来損害賠償の可能性がある。もっとも損害賠償請求は解任の条文の類推なので、解任だろうと損害賠償だろうとされる可能性はある。お金を持って逃げているのだったら、解任の正当理由もありといっていいだろう。
とすれば、絶対に問題が起こらないとは限らないが、任期満了の方法が良いのではないか。ただし、Aの任期も短くなるため許可や認可などの要件を満たさないことがないか注意してほしい」
②また、中小企業では解任ではなく任期満了の定款変更をするという方法は、そもそも問題ないのでしょうか?大企業では関係者が多いのでこういった便宜的な方法をとることはできませんが、100%株主の会社ではこのような方法をとることも問題ないかと考えます。
