就業規則の定め方によって施行規則や通達に反する取り決めができるか
◯事案の概要
就業規則の定め方によって、施行規則や通達に反する取り決めができるのか
◯相談内容
時間外労働に対する時間単価についてお聞きいたしたく存じます。
施行規則及び通達では、月給であれば、月によって定められた賃金についてはその金額を月における所定労働時間数(月によつて所定労働時間数が異る場合には、一年間における一月平均所定労働時間数)で除した金額で計算するのが決まりとなっておりますが、今回の疑問は、就業規則の定め方によってこれ以外の方法ができるのかという点です。
①最低賃金法と公序良俗に反しなければ可能であるということを聞いたことがあります。例えば、「法定労働時間外の労働の1時間当たりの単価については、その日に適用される最低賃金額×1.25とする。」という就業規則が制定され、周知をしたときにはそれは有効となるかという点です。
これについて公序良俗に反するのではないか?と述べた弁護士の方がおりましたので、菰田先生のご意見をぜひお聞きしたく存じます。
②私としては、施行規則及び通達は法律ではありませんので、必ず守る必要はない。ただ、同じ労働に対して単価を不必要に下げることは、そもそも原則禁止されている時間外労働について事業主に抑制を働きかけている法律の趣旨、労働者のモチベーションから考えてもよろしくはないとは思っております。
そのため、その労働契約に必要だった労働者独自の能力業務ではない移動だけの時間については、最低賃金以上の賃金額であれば、就業規則の制定や周知をすれば可能ではありますと答えてきておりました。こういった回答は問題なかったかお聞きしたいです。
③また、最低賃金法や公序良俗に反しなければOKだった場合はいかがでしょうか。ひな形形式だけの就業規則を作成している事業主の方によくあるケースですが、割増賃金の算定基礎から除外される賃金として限定列挙のされていない役職手当や皆勤手当が割増賃金の算定基礎から抜けていることがあります。
「こういった手当も割増賃金の算定基礎に含めないといけません」というアドバイスを送ってはおりましたが、そういった指導も施行規則と通達からみれば正しいのかもしれません。しかし実際は、就業規則にて制定・周知され有効となれば、単価に含まれていない手当部分の割増賃金の差額について別途請求されてしまうようなこともないのではと考えました。
