合同会社の社員が破産した場合、どのように登記すればよいか

◯事案の概要

夫婦で合同会社を設立し、社員となっているが、夫が破産した場合、夫の社員としての地位はどのようになるのか。また、破産の影響を妻に及ぼさないようにするためには、妻を退社させる必要があるのか

◯相談内容

不動産投資をするサラリーマンの方が、節税のために合同会社(A社)を作り、夫婦でその社員となりました。しかし夫が不動産投資の詐欺にあってしまい、夫個人が破産をすることになりそうです。

①この場合、夫の社員たる地位はどのようになってしまうのでしょうか?

私の見解としては、甲夫は破産手続き開始することによって退社し(会社法1607条5号)それによって夫はA社に対して持分払戻請求権を取得します(法611条1項)。

払戻請求権には財産的価値がありますので、夫の破産財団に組み込まれ、最終的には請求権を行使して現金化されます。合同会社は株式会社と異なり、自己持ち分の取得をすることはできませんので、払戻請求権を行使されて夫が有していた社員たる地位がA社に移った瞬間、その地位は消滅します(法587条1項、2項)。

そうなると、A社の社員は妻1人になります。夫の地位は消滅するので、その消滅した分については減資手続きが必要になります。

司法書士として行う登記は、夫の退社・資本金の額の減少の2つになるという結論になりますが、この結論でよろしいのでしょうか?特に、減資になるかどうかがあまり自信がありません。

② ③とも関連しますが、妻が会社の社員であるために妻に何らかの影響がでてくることに備えて、妻が社員から抜けることも検討しているそうです。この場合、会社の社員会社の社員が1人の場合と2人の場合とで、会社がどうなるかについて結論の違いはあるのでしょうか?

妻に何らかの影響が出ないよう事前に退社すると夫のみが社員となります。夫が破産し、退社して持ち分が会社に行くことで社員たる地位が消滅すれば、社員がいなくなるので会社は解散します(法641条4号)。

社員が誰もいないので裁判所が清算人を選任し、(法647条2項)財産を清算します。こうなると、A社が持っている不動産を売却してその費用を債権者に分配するということになるのでしょうか?

③妻や家族には影響がないようにしたいとのことですが、妻が負債を負うなどの影響が出る可能性はあるのでしょうか?なお、妻は借り入れの際に保証人にはなっていません。

私は法律上は妻には何らの影響もないと考えています。夫とは別人格ですし、妻は保証人にもなっていません。また、相続の場合(法608条)と異なり、社員が破産をしてもその地位は妻や子供に行くことはありませんので、妻には夫の破産により法律上は何の影響もないと考えます。

◯菰田弁護士の回答

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