相続人としての地位を遺言で移転させることができるか

◯事案の概要

ACDが死亡(A→C→D)しており、Aの不動産については孫であるEが相続するように持っていきたい。しかしEの親であるCには前妻の子Gがいるため、Gを排除したいと考えている

◯相談内容

Aの子供:BC
D:Cの妻
E:CDの子供
F:Cの前妻
G:CFの子供

ACDが死亡しており、その順番はA→C→Dです。CはDに「すべての財産を相続させる」という内容の公正証書遺言を遺しています。不動産はAが所有しています。そして、Aの不動産については孫であるEが相続をする、という結論にしたいと考えています。

方法としては、

1.A所有不動産についてはCが相続する
2.公正証書遺言の効力によりCの財産はDが相続する
3.Dが死亡したことにより、唯一の相続人であるEが不動産を相続する

という方針を考えています。このとき、1の遺産分割協議をするための相続人は誰になるのでしょうか?相続人たる地位は不可分に相続人全員に帰属するとされているところ、遺言があることによって相続人たる地位を移転できるかというところが論点になると思います。

①私の考え及び希望ですが、理想的な展開としては、遺産分割はBとEの2人で行うことです。(Gは前妻の子で、協力を得るのは難しいためです)理屈としては、

1.遺言によりCの相続人たる地位もDに移転している
2.その相続人たる地位はさらにEに相続されている
3.したがって相続人はBとEの2人になる、という流れです。

共同相続人として「その持分に応じた権利義務を有する」とされていることから、権利がすべてCからDに移ります。持ち分がGにない以上、相続人たる地位もDのみに移っていると考えました。

以上が理想です。ただ、本心としては、相続人たる地位は一身専属的なものなので、遺言によりその帰趨を左右することはできないのではないかと考えています。そうなると、Aの相続人たる地位は現段階ではB、E、Gの3人になってしまい、Gが相続人として協議に参加しなければならなくなってしまうと考えています。

②もしこれが難しい場合、以下のような構成はいかがでしょうか?希望の結論はEが不動産を単独で所有する、というところにあります。
遺産分割ができない以上、Aの不動産については、法定相続で相続することにします。(Cが2分の1 Bが2分の1)

Cが相続した持分については、Cの遺言によりAから相続した持分もDに相続させます。Dの死亡によりAの不動産の2分の1はEが相続することになります。Bが相続した持分については、一度Bに相続登記を入れ、その後、その持ち分をEに贈与します。財産額が低いので、贈与をしても贈与税はかかりません。

結論として、EはAが所有していた不動産をすべて取得することができます。ただ、CはAが死亡したことによりAの財産がCに移ることを認識していません。また、まだ戸籍を取得していないことから、Aが死亡したのとCが遺言を作った時期の前後が不明です。

この場合でも、Aの持分2分の1をCはDに相続させることはできるでしょうか?
私の考えとしては、Aの持分2分の1をCはDに相続させることができると思います。
遺言書の効力は、遺言者が死亡時に発生します。

また、遺言書の文言で「全財産を」「妻」に「相続させる」となっていることから、Cが認識しているものに限らず、Cの全財産をDに移すことができます。

よって、Aの不動産の持分2分の1はA→Cに相続され、C→D→Eに相続されます。EはBから贈与で2分の1を取得しますので、最終的にA所有不動産を取得することができます。

なお、Gに対しては遺留分相当額について生前に担保されているようなので、Gからクレームが入る可能性は低いものと思います。

◯菰田弁護士の回答

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