自筆証書遺言と戸籍で続柄が異なる相続人がいる場合
◯事案の概要
自筆証書遺言で「長男」と記載されているが、戸籍上は二男となっている相続人について
◯相談内容
X(被相続人)が生前に、自筆証書遺言を作成していました。そこには以下の趣旨のことが記載されていました。
・夫Yに相続させる
・Yが亡くなっていた場合には長男Aに遺贈する
Yはすでに亡くなっていますが、Yの前妻との間の子であるAとの間で、Xは養子縁組していません。そのため、戸籍上AはXの長男にあたりません。この状況で、遺言書に基づく登記ができるのか悩んでいます。
「Yが亡くなっている場合には、Yの長男Aに遺贈する」と解釈することも可能かなと考えました。ただ、Xの再婚相手Y(Aの父親)は前妻との間にA含めて複数人の子供がいますが、長男は生後すぐに亡くなっており、Aは戸籍上二男です。
一緒に生活していた時には、実質はAを長男として扱ってきたので、長男Aと記載したと思われます。ここでご相談なのですが、
①「長男Aに遺贈する」のを「Yの長男Aに遺贈する」と解釈することは可能でしょうか?
「相続させる」ではなく「遺贈する」とあること、Xの意思を合理的に解釈すれば、可能ではないかと考えています。
②仮に上記解釈が可能として、「長男ではないA」に長男Aと記載していても効力は問題ないのでしょうか?
Yの戸籍上の長男が生後すぐに亡くなったことが分かる戸籍を添付すれば「長男」は単なる誤記であると証明できるので、有効ではないかと考えています。
◯菰田弁護士の回答
私は法的には問題ないと考えます。
結局は、今回の遺言書記載内容からして、Aが特定できるかどうかの問題ですね。Aがフルネームで書かれていて、何か他の情報なども合わせて考えた時に、その記載されているAが特定の一人まで絞れるのであれば良いでしょう。
ただ、最終的には登記をしたいというのがゴールですので、法務局が受け付けるかどうかの問題ですよね。私はこのまま登記申請に進まれてみて良いと思います。
