法人との賃貸借契約を解除したいが、法人が建物の取り壊しに難色を示している

◯事案の概要

法人に土地を賃貸しており、土地上にはほとんど使われていない社員寮が建っている。相談者は土地の賃貸借契約を解除して土地を売却したいと考えているが、取り壊すには多額の費用がかかるため、法人が難色を示し、賃料が支払われ続けている状況である。

相談者はできるだけ早く土地を売却したいと思っており、解体費用もできれば法人に出させたいと考えている。

◯相談内容

個人(A)が都内の土地を法人に貸しております。法人はその土地の上に自社で鉄筋コンクリート造りの社員寮を建てています。建物の建築年は昭和49年で、現在は寮にいる社員もほぼいないようです。

その土地は相続で父→母→Aと引き継いでいます。母の相続が発生した時にAと法人とは新たに賃貸借契約書(平成26年X月XX日まで)を結びなおしたようです。賃貸借契約には、以下の条項が記載されています。

・物件目録記載の建物が崩壊したり取壊したときには契約が消滅する
・法人には原状回復義務がある
・原状回復して明け渡ししない場合は、明け渡しまで賃料の2倍に相当する

Aとしましては、この契約書に基づき、土地を更地で返してもらって、売却して現金化しようと考えておりました。しかし、取壊しに1000万以上かかるらしく、法人が難色を示してきました。
契約終了の日が来ても取壊しがいつになるか回答のないまま、平成26年X月以降も地代だけは現在も引き続き支払われています。そこで、質問なのですが、

① 法人は、「建物を取り壊したら借地権を贈与したことになるのでAに多額の贈与税がかかる」などと言ってきました。
私としては、賃貸借契約の条項もありますし、そもそも借地権はあくまで建物にくっついているものなので、建物がなくなった時点で借地権もなくなり、借地権の贈与になるなどありえないとAに言いましたが、それで正しいでしょうか。

②法人が損害金を払うことで事をおさめようとなったときに、契約終了の日がいつになるのかが気になっています。Aは、契約終了の日だから平成26年X月だと考えているようですが、この場合、同じ条件で法定更新扱いになっているのではないかと思うのです。

本契約の 契約解除の条項では、3カ月分以上賃料の支払いを怠ったときや無断転貸があったときという一般的な項目が並んでいます。例えば、法人が4カ月賃料の支払いをわざと怠り、契約解除、となったときに、解除された日が「契約終了の日」となり、それが同時に明け渡しの日となって、Aは損害金がもらえない、というおそれはありませんか?

③ 法人が取壊しをせず、Aが自己資金でもって建物の取り壊しをする、となった場合に、建物の所有者をまずAにしなければならないのでしょうか。解体業者が、土地の所有者の依頼(建物の所有者の同意が必要とは思いますが)で上物を取り壊すことについて、法的に問題はあるのでしょうか。
取り壊すために建物の名義をAにしなければならないとすると、今度は借地権の無償譲受が問題となってくるように思えます。建物の名義が法人のままで、Aがその建物を解体できるか、がわかりません。

Aは、なるべく早くその土地を売却したいと思っております。売れば1億くらいにはなりそうなので、解体費用を出してもいいと言っておりますが、契約書をたてに法人に解体させたいというのが本音です。

◯菰田弁護士の回答

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